2011年3月24日木曜日

皮膚病タヌキ急増 田辺市「見つけたら連絡を」

 昨年11月から、野生動物が発症すると死ぬ確率の高い皮膚病「疥癬(かいせん)」にかかったタヌキが、捕獲されたり、目撃されたりする事例が田辺市内で急増している。人やペットにも感染するため、田辺市農業振興課は感染したタヌキを捕獲することを決めた。「見つけたら連絡してほしい」と呼び掛けている。
 田辺市内では、毛が抜けて衰弱したタヌキが昨年7月に龍神村で初めて捕獲された。その後、見つかっていなかったが11月以降に急増。1月6日までに、中辺路町12匹、本宮町5匹、江川1匹の計18匹が捕獲された。センコウヒゼンダニによる疥癬であることを山口大学農学部獣医寄生虫病学研究室の佐藤宏准教授が確認した。このほか、脱毛して衰弱したタヌキの目撃例が多数あり、さらに捕獲が増えるとみられている。
 野生動物の疥癬は、ヒゼンダニの一種センコウヒゼンダニが皮膚に寄生して発症する。発症したタヌキは、絶え間のないかゆみのため、かいたり擦り付けたりして全身の毛が抜けてしまうという。
 感染タヌキを調査した田辺市稲成町のふるさと自然公園センターの鈴木和男さんによると、冬場なのに皮下脂肪がほとんどなく、疥癬による脱毛と寒さで極度に衰弱している。暖かい日中にしか活動できず、民家近くで人目に付くことが多くなっているのではと推測している。
 南和歌山医療センター(同市たきない町)の南宏典?皮膚科医長は「接触によって一時的にかゆくなったりするが、タヌキの疥癬は人の皮膚で増殖しないのでそれほど悪化しない。ただ、他の病気を持っている可能性が高いので野生動物は触らないで」と注意を呼び掛けている。
 なぎさ動物病院(同市上屋敷)の沖見朝代院長は「市街地で感染タヌキが出ているので、気になる場合はペット用のダニ予防薬を使うなど自主防衛してほしい。かゆみや脱毛があれば獣医師に相談して」と話す。
 県内では、橋本市で2005年に初めて感染タヌキが確認され、毎年15匹ほどが見つかっている。かつらぎ町では3、4年前から毎年数匹の確認がある。新宮市や日高川町などでも出ている。
 ◆センコウヒゼンダニ 全長0?4ミリほど。皮膚にトンネルをつくって暮らしており、穴を開けるときに唾液(だえき)から毒素を出して激しいかゆみを起こす。

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引用元:RMT(リアルマネートレード)専門サイト『RMTワンファースト』

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